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開設64周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2015年8月16日

南 修二(大阪)

大波乱で南修二が記念初V

 敗者戦で落車が続いて波乱の1日となったが、さらに、最後の最後に大アクシデントが待っていた。今節絶好調の近藤隆司と、V筆頭の脇本雄太の力勝負に場内は沸いたが、最終2センターの落車でレースが吹き飛んだ。さらに、1着入線の山田英明が内抜きで痛恨の失格。南修二に思わぬ形で記念初Vが舞い込んだ。
 「抜けてないし、落車もあったんで実感はあまりないですね。今日はああいう展開になるのは想定してました。最後、脇本君が苦しそうにしてたんで内を行かせてもらしました。落車を避けるのはやってできるものではないけど、コースに入った時点で前に踏むしかないので。脇本君が頑張ってくれたし、3、4番手を固めてくれたおかげ。自分の力だけではないので。でも、これを機にG1、G2も頑張っていきたい。誰と言わず、近畿は皆強いんで、少しでも追い付いていかないと」

 山田追走から、相川永伍がこちらも繰り上がって2着。初優出で表彰台入り。
 「今日は山田さんは位置取りが上手いし、とりあえずそこに付いて行って様子を見ようと思ってました。自分で仕掛けられればよかったけど、山田さんも行く雰囲気があったので。だた付いて行っただけだったけど、こういう舞台を経験できてよかったです」

 近藤隆司は果敢に逃げたが、結果は実らず。
 「早めに押さえないと突っ張られると思ったんで。赤板で(誘導を)斬ってから要所要所で上手く踏めたと思うけど、最後に飲み込まれたので。でも力を出し切れたので、次に繋がるレースはできたと思います」

 山田英明は固唾をのんで審議を待ったが、判定はアウト。記念初Vは幻と消えた。
 「バックで仕掛けようと思えば行けたけど、五十嵐さんの番手まくりと思ったんで。外を行けないし、内を行ったのは一か八かだった。厳しいけど仕方ない。自分で仕掛けられなかったことに悔いが残ります」

 脇本雄太は体調不十分のなか、力勝負をして納得の様子。  
 「(誘導を切ると)失格ラインの前に押さえにくるとは思わなかった。すぐに引いても巻き返しても持たないんで、ギリギリまで待ってから。切らせておいて、行けるところからのタイミングで。(落車を)避けるのでいっぱいだったし焦りました」

 川木敬太も勝負所でアクシデントでは致し方なし。
 「乗り上げましたよ。脇本君は止まった感じがしたけど、落車がなくても僕もその時点で脚はいっぱいだった。落車しなくてよかったです」

レースプレイバック

 別線の様子をうかがいながら、南修二が誘導を追って中近ラインが前団に構える。脇本雄太に南—川木敬大—志智俊夫。山田英明、相川永伍と単騎の2人が続いて、近藤隆司—五十嵐力—松坂英司の南関勢が後方に待機。
 7番手の近藤は早めに動き出して、青板手前ではすでに脇本に併せ込む。脇本との併走から近藤は、赤板手前で誘導を切って先行態勢。近藤に五十嵐—松坂と出切り、切り替えた山田、相川まですんなりと続き脇本は6番手。後続を一本棒にして、近藤が打鐘からグングンと加速して逃げる。
 最終ホームを通過し、空いた車間を詰める勢いで6番手から脇本が巻き返す。山田、相川は動けず、脇本が前団に迫りバックを迎える。逃げる近藤との車間を切った五十嵐は、脇本のまくりに合わせて詰めるが3コーナー過ぎに近藤と接触して落車。松坂が乗り上げて、外に浮いた脇本はいっぱい。落車を避けながら斬り込んだ南は、直線の入り口で進路を近藤の外に取り追い込む。一方、南に押し込まれた山田が、近藤の内を踏み込む。近藤を挟んで南、山田の攻防は、内の山田に軍配が上がるも内側追い抜きで1着失格。南が繰り上がり記念V。中団から差し脚を伸ばした相川が2着に入り、逃げた近藤が3着。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
5 南  修二 33 大阪 88 S1 9.4
6 相川 永伍 31 埼玉 95 S1 1身 9.4
4 近藤 隆司 31 千葉 90 S2 1/4輪 10.0 B
8 川木 敬大 36 兵庫 84 S2 2身 9.6
1 脇本 雄太 26 福井 94 S1 1身 9.9
9 志智 俊夫 42 岐阜 70 S1 6身 10.2
2 松坂 英司 40 神奈 82 S1
7 五十嵐 力 36 神奈 87 S1
3 山田 英明 32 佐賀 89 S1

開設63周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2014年8月31日

金子 貴志(愛知)

番手まくりで金子貴志V

 準決で破格のパフォーマンスを見せた新田祐大、川村晃司、村上義弘でタッグを組む京都勢。G1ファイナルにも劣らないそうそうたる顔ぶれ。そのハイスピードバトルを制したのは、地元の中部勢だった。細切れ戦の中、地元の北野武史が固める中部勢ラインだけが3車。先行態勢を取った川村が赤板でペースをゆるめると、その隙を逃すことなく浅井康太が一気に踏んで主導権を奪取。番手の金子貴志には願ってもない絶好の流れも、これで安心できるメンバーではなかった。
「(浅井は)あんな走りをしてくれて、本当にうれしい。ありがたいですね。浅井のスピードなら普通は、誰も来ることができないですよ」
逃げても強い浅井が抜群の掛かりで風を切るが、反撃に出た新田が規格外のスピードであっという間に差を詰める。金子は迫り来る新田を最終2コーナーからの番手まくりで応戦。新田、さらにその上をまくって直線で猛追する村上らを振り切って、5月の松阪に次ぐ記念制覇。チャンスをモノにした。
「来るか、こんなスピードでと思ったら新田でした。すごいスピードだったし、行かれたと思ったらちょうどコーナーに入ったんで。もう直線で(新田が)来ていたし、自分で出て行くしかなかった。あれがコーナーだったら、また違ってましたけど。そのあとに村上さんも来てたんですね。(仕掛けを)待ったらやばかった」
豊橋記念では逃げた深谷知広と地元ワンツーの準V。中2日の強行ローテで続く今シリーズは、浅井の番手で優勝。後輩たちの仕上がりと意気を肌で感じながら、金子がオールスター(9月11日から)を迎える。
「自力の選手のヤル気がすごいですね。自分が邪魔にならないように。これが終わったら中1日で高地に合宿に行くので、それでどれだけ追い込めるかやっていきたいです。とにかくできることをやっていきたい」
慢心することを知らないグランプリ王者は、記念Vから気持ちのスイッチ。残り2つとなった今年のG1、すぐさま次のオールスターを見据えるのだ。

川村の動きをギリギリまで見極めた村上義弘は、最終1センターで川村が内に行きかけると新田を追いかけてまくり上げた。
「あのタイミングであの浅井の先行は、(川村)晃司も予想外だったんじゃないですか。ジャンでは先行したラインが中バンクに上がって、自分たちが内を締めてなくてはいけなかったし。晃司もきつかったと思う。新田の動きに反応できればよかったんですけど…」

勝負どころから京都コンビを追走した野田源一は、村上のまくりをワンテンポ遅れて追走。直線で強襲するも新田を交わしての3着がやっと。
「川村さんの先行があると思って、ああなったんですけど。思ったより早く浅井君が来ちゃった。そこからは新田君に付いていく余裕もなくて、村上さんが踏んでくれたからって感じですね」

別次元のスピードで巻き返した新田祐大だったが、中部ラインの結束の前にV逸。金子に番手まくりで合わされて万事休すだった。
「今日のレースはヘタクソでした。もうちょっとうまくやっていかないと。ああいう中部の走りにも対処できるように、しっかりと作戦を今より組んで。うまく組み立てたい」

早めの先行策に出た浅井康太はどうか。
「あれが新田じゃなかったら、もうひと踏みできたと思う。感じもよかったし、余裕もあったんで。優秀の時に地元に迷惑を掛けてしまって有賀(高士)さんも落車させてしまった。その中で決勝は北野さんが地元で乗ってきて、3番手を固めてくれてありがたかったし。王者(金子)を付けて、いいレースをしなきゃっていう思いがあった」

レースプレイバック

 号砲で金子貴志が勢い良く飛び出し、目標の浅井康太を迎え入れる。隊列は浅井-金子-北野武史の中部勢が前受け、中団は川村晃司-村上義弘の近畿コンビ、単騎の松川高大が続き、後方に新田祐大-菊地圭尚の北日本コンビ、単騎の野田源一が最後方の形で落ち着く。
 残り3周の青板から新田が上昇を始める。前受けの浅井はすんなり車を下げ、新田が誘導員の後位に収まる。今度は川村が仕掛けて赤板で先頭に立つが、浅井がすかさずその上を叩いて主導権。単騎の松川が中部勢を追って4番手を確保、川村が5番手に入る。8番手に置かれた新田が打鐘前から踏み出すと、菊地は離れる。浅井がハイペースで逃げるなか、新田が抜群のスピードで迫ってくる。これに合わせて金子が最終2コーナーから番手まくり。新田を出させずに最後まで力強く踏み切った金子が優勝を飾った。最終2コーナーから自力に転じた村上が2着。これを追った単騎の野田が3着に入った。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 金子 貴志 38 愛知 75 SS 9.2 B
2 村上 義弘 40 京都 73 SS 3/4身 9.1
7 野田 源一 35 福岡 81 S1 1/2輪 8.9
3 新田 祐大 28 福島 90 SS 3/4輪 9.3
5 菊地 圭尚 34 北海道 89 S1 3/4身 8.9
6 北野 武史 42 石川 78 S1 1身 9.4
8 松川 高大 25 熊本 94 S1 1/2身 9.3
4 川村 晃司 38 京都 85 S1 4身 9.6
9 浅井 康太 30 三重 90 SS 6身 10.5 H

開設62周年記念 瑞峰立山賞争奪戦 2013年8月13日

長塚 智広(茨城)

関東の結束力で長塚智広がV

 SS班の長塚智広にとっては負けられない決勝戦だった。関東勢がライン4車で結束し、池田勇人が闘志あふれる攻めでレースを支配。川村晃司のまくりを強烈なブロックで仕留めると、最後はきっちり追い込んで人気に応えた。
 「恵まれました。池田君が本当に強かったです。かかっていたから川村さんもきつかったと思います。後ろにも2人いて、関東結束と言っている以上はしっかりとブロックして自分の仕事をしました。番手でこんなに苦しかったのは久しぶりですね」
 4月福井の共同通信社杯を制した後は精彩を欠く走りが続いた。今シリーズも不安を抱えた中での参戦だったが、ラインの結束力で悪い流れを断ち切った。
 「最近は調子落ちだったんですが、2日目からいい感じで走れるようになりました。今開催もそうですが、他地区が強いので関東も一本化して一つにまとまって戦わなくてはいけないと思い、後輩たちと一緒に気持ちを共有しました。これからも関東勢の結束、強さを見せていきたい」
 4月高知記念で盟友の武田豊樹が追走義務違反で失格。現在はレースに出走できない状況に置かれている。だからこそ長塚に期待される役割は大きい。熱い走りで関東勢を盛り上げる。

 池田勇人はラインの長さを生かして赤板前から先行。長い距離を最後まで力強く踏み切った。
 「川村さんを出させたら厳しいですからね。33だから前々に踏もうと思ってました。赤板からちょっと早く踏みすぎましたが、カマされたら終わりですから。最後はいっぱいでしたけど、ワンツーが決まって良かったです」

 小倉竜二は巧みなコース取りから直線強襲。初日から3着を4日間並べた。
 「松岡(貴久)君が頑張ってくれました。前がかかってましたね。長塚君が持っていった時にちょっと見てしまった。それでも3着に入れたし、目標のオール3着は達成できました」

 川村晃司は最終ホームからまくって関東勢に襲いかかったが、長塚の厳しいブロックで失速した。
 「後ろから押さえて駆けたかったんですが、池田君が突っ張る気満々でしたからね。引いて、いけるところから仕掛けるしかなかった。長塚君のブロックも効きましたが、池田君もあれで2着に粘るんだから強い。やることをやった結果なので仕方ありません」

 川村マークの友定祐己は離れ、松岡貴久が川村を追っていったが、前のあおりで外に膨らんだ。
 「記念優勝は遠いですね。今の状態ではやっぱり厳しい。いい感じで川村さんを追っていけたが…。池田と川村さんが強かったです」

レースプレイバック

 号砲で出た小倉竜二と松岡貴久は別線の位置取りを確認しながらゆっくりと正攻法へ。周回は松岡―小倉―池田勇人―長塚智広―柴田洋輔―山下渡―川村晃司―友定祐己―吉永和生の並び。
 青板の1センターから川村が動き始めるが、察知した池田も合わせて上昇。そのままバック過ぎに誘導員を下ろすと、川村は車を下げる。正攻法の松岡は長塚の内で粘るかに見えたが、赤板ホームで下がってくる。そのまま池田が踏み上げると、川村は7番手に置かれてしまう。一本棒のまま残り1周半の鐘が入ると、最終ホームから川村がまくり上げる。離れた番手の友定に代わってバックから松岡が川村を追うが、コーナーで川村が長塚のブロックを受けると2人とも外に膨らむ。空いたコースを小倉が突っ込むが3着まで。池田をガードした長塚がゴール前で逆転し人気両者でワンツーを決めた。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
2 長塚 智広 34 茨城 81 SS 9.5
7 池田 勇人 28 埼玉 90 S1 1/2輪 9.6 HB
3 小倉 竜二 37 徳島 77 S1 1輪 9.3
4 柴田 洋輔 27 東京 92 S2 3/4輪 9.5
6 友定 祐己 34 岡山 82 S1 1身 9.4
1 川村 晃司 37 京都 85 S1 1身 9.8
5 松岡 貴久 29 熊本 90 S1 1/2身 9.7
9 山下 渡 29 茨城 91 S1 1/8輪 9.7
8 吉永 和生 37 広島 80 S2 3身 9.6