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決勝戦レポートは
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検車場レポートprogram

  • 7/30 (前検日)
  • 7/31 (1日目)
  • 8/1 (2日目)
  • 8/2 (3日目)
  • 1R

    青野将大選手

     前回のサマーナイトフェスティバルの一次予選では、まくりで師匠の小原太樹とワンツー。太田海也を沈めた青野将大(写真)だが、慎重なコメント。
     「サマーナイトフェスティバルは、ほぼ運ですから。内容がいいっていう感じじゃないし、自信をもってっていうほどじゃない。(近況は最終)バックも減っているのでヤバいですね。深谷(知広)さん、松井(宏佑)さんとか南関の先輩の前で走りたい。その時に(最終バックの)数字っていうのは大事になってくる。(次の)オールスターまで3週間くらいあったから、(追加が)ほしかったので良かった」
     近況はピリッとしない徳田匠は、前回の弥彦FIを335着。4場所ぶりの9車立ても、鍵になってきそうだ。
     「練習でもそんなに悪くないんですけどね。なんか(自分の)ペースと距離が合ってない。9車立てと7車立てを行ったり来たりして、そこに適応できていない。体調もここ1カ月くらい良くなかったけど、だいぶ戻ってきました」
  • 2R

     3場所前の当所GIIIでは、最終日に落車失格を喫した野田源一は、そこから地元の久留米記念、奈良FIを経て富山に戻ってきた。
     「5月まではいいリズムでこられていたけど、6月の富山で落車してしまって崩れてしまいましたね。落車の影響もありますし、(それまでが)調子が良すぎたっていうのもあった。それで反動で落ちているなっていう気もします。まだ物足りなさは感じていますけど、徐々に戻していきたい」
     6月は4場所を消化した伊東翔貴は、7月の2場所終えて今シリーズを迎える。徐々にではあるが、復調の手ごたえを感じている。
     「走りすぎている感じもあるけど、走って戻していきたいっていうのもある。体調も悪くない。FIでも準決に乗れなかった時期もあるので、それを考えると戻ってきている。自分的には7車立てよりも9車立ての方が走りやすい。流れを読んで立ち回れる感じですね」
  • 3R

     今期、防府、奈良とFIシリーズの2場所で伊藤信は、6戦5勝。連続優勝で勢いに乗り、記念の今シリーズを迎える。
     「4月から6月まではしんどかったんですけど、やっと上がってきましたね。まだ出場は決まっていないんですけど、8月の後半にある(競技の)全日本選手権のトラック大会があるので、そこに向けてやっている練習の成果が出てきていると思います。3場所連続で(33バンクの)短走路っていうのも珍しいですけど、感覚的にはいいと思うので引き続き頑張りたい」
     道場晃規は、前回の福井FIを312着。単騎の決勝は、最後方からの大まくりが決めたが、切り替えた南修二に追い込まれた。
     「前回の福井も感じは良かったですし、今回も引き続き悪くないと思います。追加は1週間くらい前に入ったので準備はできました。ここ最近は9車立ても多くていい感じに走れていますね。33バンクも得意な方ですし、富山の成績もいいと思います」
  • 4R

    山崎歩夢選手

     S級デビューとなった特進一発目の川崎FIの最終日に落車に見舞われた山崎歩夢(写真)は、およそ2カ月ぶりとなった前回の岸和田FIで復帰して127着。続く今シリーズで9車立てを経験して、次回はオールスターが控えている。
     「(今回は)初の9車立てから、2場所目でオールスターですから。(9車立てを)経験できるのはいいですね。33バンクもあんまり走ってないし、しっかりといつも通りのレースができるように。(落車の怪我は)まだ100%の状態ではない。そこを戻すために練習をやってきた。練習で踏んでいる感じでは、前の感じが戻ってきている」
     地元の近谷涼は、3場所前の当所GIIIで3日目に失格を喫した。その後、久留米記念、豊橋FIと一息の戦績が続いたが、現状のコンデションはどうか。
     「久留米記念のあとに腰痛が出てしまって、福井を一本休みました。地元GIIIの前に1本は走りたくて豊橋を走りましたけど、積極的には動けました。前回よりも状態はいいと思うので頑張りたい。6月のGIIIは気合が入りすぎてしまって、結果的に失格で終わってしまった。今回はもう少しリラックスして走れればって思います」
  • 5R

     前々回の前橋FIを221着。デビュー6年にしてS級初優勝を遂げた板垣昴は、続く前回の静岡FIでも127着で決勝にコマを進めた。
     「(前橋の決勝は)3車だったんで、もっと早めに仕掛けていればっていうのがありますね。そのあとの静岡は、かなり仕上がりが良かった。それで決勝にいける自信があったけど、今回はどうですかね。練習はガッチリやりました」
     岸田剛は、前回の豊橋FIを2日目から欠場。そこから中1週間のローテーションで立て直してきた。
     「前回の豊橋は、腰痛が出てしまって欠場しました。帰ってからケアもして練習もできました。富山は6月のGIIIを走って、初日は突破で来たけど二次予選で負けてしまった。いままでGIIIの準決勝に乗ったのは一度しかないので、今回はそこを目指して頑張りたい」
  • 6R

     前々回の防府FIから前回の奈良FI、続く今シリーズと吉田智哉は、3場所続けての33バンク。奈良では2日間、積極策に出て、最終日は押し切って白星を挙げた。
     「奈良は追加だったんですけど、受けるか迷った。けど、富山も33バンクだし追加を受けた。(奈良では)2日間、先行しました。ただ、初日が勝ち上がれてないのでダメですね。腰痛はだいぶ良くなってきて、(練習も)腰をいたわりながらやってきた。スピードが上がってくれればチャンスがあると思う
     今期S級にステージを上げた松本京太は、3場所を消化して前回の熊本FIを523着。3日間すべて最終バックを奪取した熊本は、2日目に逃げ粘り初連対を果たした。
     「(S級では)全然、勝てないんじゃないかって思っていた。ただ、先行をしっかりっていう気持ちはあった。けど、熊本でゴール近くまでもった。それでちょっとはやれるんじゃないかっていうのが出てきた。落ち着いてできればチャンスはあるかなと。でも、33バンクの9車立てはまったく違うと思うので、落ち込んで帰ることのないようにしっかりと走りたい」
  • 7R

    藤井侑吾選手

     藤井侑吾(写真)は、前々回の小松島記念で一次予選を白星スタートも3日目以降を欠場。続く静岡FIの524着から2週間以上、空いた。
     「小松島記念は熱中症みたいな感じになってしまって、途中欠場しました。前回の静岡は3日間、先行できましたし悪くなかった。今回は静岡よりも良くなっていると思うので頑張りたい。富山はS級に上がりたての記念で決勝に乗れていますし、相性はいいと思う。警戒されるなかでもしっかりと主導権を握れるように」
     近況はコンスタントに連対を果たして戦績をまとめている奥村諭志は、その要因をこう打ち明ける。
     「(6月の)高知くらいからいい感触があった。それでイメージもいい。上がってきている感じがあって、(その理由は)セッティングが大きいですかね。もう自転車もいじらなくなった。乗りやすいセッティングにして、楽に乗れるようになって進むようにもなった。(追加だけど)疲れを抜いている時だったし、抜きすぎてる感じもある」
  • 8R

     前回の熊本FIで久しぶりに決勝にコマを進めた菊池岳仁は、初日特選、準決でともに最終バックを取って2着。最後のもうひと踏ん張りを課題にあげる。
     「1着が取れてないのは、そういうところだと思う。踏み返せてない。末脚がない。ラインでワンツーだけど、1着がないんですよね。(今回は)前に使っていたフレームに戻してみようかと思います」
     直近の3場所は1着こそない河村雅章だが、まずまずの戦績。ピスト6を走り、今シリーズに臨む。
     「(一次予選で連係する菊池は)強いんでね。予測不能の動きをされるとっていうのはあるけど、離れなきゃ。ピスト6が終わってから5日くらいあった。練習の感じもまあまあ良かったし、ダッシュ勝負になりづらい9車立ての方がいい」
  • 9R

    村田祐樹選手

     6月の当所GIIIでは、地元からただ一人決勝に進出した村田祐樹(写真)。今シリーズも地元唯一の1班として、まずは一次予選を落とすわけにはいかない。
     「前々回(平FI)と前回(豊橋FI)はあまり良くなかったですね。地元記念に向けて追い込んで練習をしていて、あまり調整ができていなかったからっていうのもあります。前回が終わってからは、ケアをしっかりしてきました。自分は1走目が大事。そこで自信をもてれば、2日目以降につながると思う」
     山中秀将の近況は、優出こそ遠ざかっているもののコンスタントに連対。仕掛けどころでの反応も、悪くなさそうだ。
     「それまでは仕掛けられるポイントがなくて、ノーチャンスって感じることが多かった。けど、(最近は)ワンチャンス、ツーチャンスで仕掛けられたらって思えるようになってきました。それで(最終)バックとか決まり手も多くなってきた。踏める距離っていうのも自分にとっては、長くなってきた」
  • 10R

    立部楓真選手

     3場所前の久留米記念では3連対で存在感を見せた立部楓真(写真)は、その後も小松島FIを325着、青森FIでは2勝をマーク。今シリーズも期待は膨らむ。
     「(近況は)自分が思っている以上にやれているかなっていうのがあります。小松島は悪くなかったんですけど、青森は疲れが出たのか体調があんまり良くなかった。そのあとは支部合宿とかもやったし、体調の方も戻ってきた」
     持病の腰痛と相談しながらのトレーニングになっている河端朋之は、こう口を開く。
     「(前回の地元の)サマーナイトフェスティバルは悪くなかったんですけど、相手も強かったですね。終わってからも練習はできましたし、いまのところ腰の痛みも出ていないので悪くないと思います。しっかりと自分のタイミングで仕掛けていけるように」
  • 11R

    志田龍星選手

     前回のサマーナイトフェスティバルは特選スタートから、2日目はアルタイル賞に進出。しかしながら、初日はアクシデントもあっての繰り上がりだけに、志田龍星(写真)は、自身の力不足を痛感する。
     「(サマーナイトフェスティバルは)なんにもできなかった感じです。(上位クラスと)一段以上は(力が)違う。力不足ですね。(前回のあとは)いつも通り練習をやってきた。ここ2年くらいずっと室内なんで、今回も室内でやってきました。しっかりと自分の力を出し切れるように」
     金子幸央は、前回の静岡FIの最終日に落車。そこから2週間以上空いた今シリーズは、フレームを換えて臨む。
     「前回の静岡の最終日に落車しましたけど、怪我はたいしたことなかったので影響はないと思います。フレームが壊れたわけじゃないんですけど、今回は別のフレームに換えます。冬場は重くて使えなかったフレームなんですけど、夏場になったので使えると思っています」
  • 12R

    犬伏湧也選手

     S級S班2人の欠場があり、今シリーズはただ一人のS級S班となった*犬伏湧也(写真)は、その重責をしっかりと受け止めながら、シリーズを見据える。
     「自分の力を出して、結果を求められるのがSS。そこは(内容と結果の)両立をしていきたい。(前回のサマーナイトフェスティバルは)勝ち上がれていないので悔しい。いい状態で臨めたシリーズだったけど、それで結果がついてこないのは自分の力不足です」
     20日に40歳のバースデーを迎えた*守澤太志は、「とくに実感はないけど、中身はもうオッサンです(笑)」と言いながらも、初日特選は一人で戦う決意を固めた。
     「(初日は)一人でなにかできればいい。脚力的には負けているんで、ワンチャンスあればって思っています。練習は昨日(前検日の前日)まで新山響平と強めにやってきた。相手が強すぎて、自分の感じはめちゃくちゃ悪かったです」
     次回のオールスターをにらみながら、追加配分を受けた山口拳矢が4日間を走り抜く構えだ。
     「オールスターまで日数が空いていたので、追加を受けました。(前々回の)川崎から新車を使っていたんですけど、今回は前のフレームに戻します。練習で乗ってみて、やっぱりこっちの方がいいのかなっていうのがあった」
  • 1R

     菅野航基が、青野将大を青板3コーナーで押さえて出る。青野は3番手で徳田匠と併走になり赤板を迎える。そのまま菅野が先行して、外の徳田を張った青野が3番手を確保する。青野は最終ホーム手前から仕掛けて、恩田淳平、一戸康宏が続く。青野があっさりと出切り、青野ラインを四国コンビが追いかける。バックを通過して、外田心斗は3コーナー過ぎから踏み込む。直線で四国勢が迫るが、番手の恩田が勝機をモノにした。
     「青野君がどこから行くかわからなかったので、追走を外さないように意識していました。自分は小橋(秀幸)さんのところでもってこられてもいいように対応できたと思います。(青野は)バンクが重くて、ずっと踏み込んでいっている感じでした。(最終)2センターで後ろの気配はなかったので、(ラインで)決まったと思った。けど、ゴール前で伸びてこられてしまった。前回が久々にいい感じだったんですけど、今日(初日)はバンクが重かったのでなんとも言えないです」
     外田マークの山形一気は、スピードをもらい直線で中のコースを伸びた。
     「外田君がいつ行くのかなって、バックを踏んだりして見ていたんですけど。ハイペースにもなったり、前で併走にもなったりして、しんどかったですね。でも、9番手にしては落ち着いて脚をためられたと思います。最後は(コースが)空いたので伸びました。前回は新車にしたんですけど、戻して良かったです」
  • 2R

    伊東翔貴選手

     中西大が浮島知稀を警戒しながら、青板2センターで先頭に立つ。近畿勢に続いた浮島が赤板手前から踏み込んで、中西と浮島の主導権争い。打鐘で浮島がわずかに出るが、中西がコーナーで盛り返す。前団の叩き合いを6番手でうかがっていた野田源一は、最終ホーム手前から発進。逃げる中西を野田がバック手前でとらえて、九州勢に続いた伊東翔貴(写真)がその上を踏み込む。伊東がゴール前で野田を交わした。
     「ジャンのところで行こうかと思ったんですけど、中西君が(浮島を)出させるのかどうかっていうのもあった。そしたら野田さんが行ったんで良かったです。自分は脚を使ってないし、あの形になったら(庄子信弘と)2人で3着までに入らないと。もう少し強ければジャンのところで行けてるんでしょうけど、野田さんが行ったところの判断もできたし状態はいいと思います」
     中西と浮島の踏み合いで絶好の展開になった野田源一は、ロングまくりで2着。
     「中西君は先行態勢に入っていたし、もしかしたらやり合ってくれるかと。期待して出しました。かぶったら(勝負権が)なくなるので、詰まったタイミングで行こうと思った。行こうと思ったタイミングでいけているけど、距離が長く感じた。(落車から)少しずつ良くなっているけど、(5月に)連続優勝したころから比べると物足りないですね」
  • 3R

    伊藤信選手

     前受けの小川三士郎が、青板バック過ぎに道場晃規を突っ張る。道場は8番手に出戻り、小川の主導権でレースは流れる。一本棒の隊列で打鐘を通過して、道場が3コーナーで仕掛ける。内藤秀久が遅れて、道場が1人で前団に迫るが、小川が合わせて逃げる。8番手になった伊藤信(写真)は、最終2コーナー手前からまくりを打つ。松岡健介は踏み出しで離れ、スピードの違いで直線半ばで小川をとらえた伊藤が1着。
     「最初に切るのは、しんどいなって思っていた。運よくというか松岡さんがいいところを取ってくれたので、(初めに)動く必要がなかった。展開が向きました。踏み出しも良かったですね。(全日本自転車競技選手権トラックに)出たいと思って(練習を)やっている。(それが本業の競輪で)自然と結果となって出てきてますね」
     前受けからの突っ張り先行策に出た小川三士郎は、伊藤にはまくられたものの2着に踏ん張った。
     「突っ張りたいって思っていました。もうワンテンポ、ツーテンポ早く踏んでいたら、(道場が)番手か3番手で止まっていたと思う。切って、切っての展開ではないので、(7車立てと)9車立ての違いは感じてないですね。流れる感じはあったんですけど、出だしが甘いなって。ラインを生かして走れるように」
  • 4R

     近谷涼も踏み込むが、青板4コーナーで合わせ切った山崎歩夢が主導権をキープする。近谷は5番手に降りる。が、松岡篤哉は連結を外して、近谷の後ろは中村健志、鈴木謙太郎、白岩大助で打鐘を通過。山崎が徐々に踏み上げて風を切る。前の中村が遅れ出すと、7番手の鈴木が最終1コーナーからまくり上げる。合わせて出る近谷を乗り越えた鈴木が、押し切り図る山崎をとらえて1着。
     「(周回中は)車番的に後ろの方かなと思ったんですけど、中団が取れた。それで(山崎)歩夢が突っ張れば、そのままでと思っていました。(最終)ホームで(中村)健志が離れていたんで、追いかけながら詰まった勢いでって感じでした。どこまでいけるかなっていうのがあったけど、(まくり切って)いけるとは思わなかったです。(今期最初の)小松島記念を走って、S級でもちょっとはイケるかなっていうのがあった。それで気持ちをもう1回入れました」
     近谷を突っ張って、そのまま駆けた山崎歩夢が、2着で一次予選をクリア。
     「前を取れるかわからなかったけど、取れたら突っ張ろうと思っていた。(近谷が)締め込みながらの押さえだったので、いけるかなっていうのがあった。けど、突っ張り切れたんで、いつもの感じで駆けた。イマイチですかね。スピードに乗ってないので、粘りも弱かった。明日(2日目)しっかりと乗せ切れるように、自分の体をしっかりとケアしたいです」
  • 5R

    岸田剛選手

     板垣昴を佐藤壮志が阻んでペースを落としたところを見逃さず、岸田剛(写真)が青板4コーナーで仕掛ける。赤板1コーナーで岸田が主導権を握ると、佐藤は番手に飛び付く。しかしながら、北野武史がキメて、佐藤は下げる。そこを打鐘3コーナーで板垣が反撃。岸田がリズム良くピッチを上げて、板垣は4番手で小休止。再度、最終2コーナーで踏み込んだ板垣を北野がけん制。追い込む北野を岸田が振り切った。
     「(板垣が)切れれば叩いて、(佐藤が)突っ張るなら様子を見てっていう感じでした。最後の半周もしっかりと踏み直せたので状態はいいと思います。(板垣が仕掛けてきたところで)タイミング良く踏み直せた感じですね」
     板垣のまくりを張った北野武史は、岸田との直線勝負に持ち込んで半車輪差の2着。
     「(岸田に)付いていくことだけ考えていました。抜きたかったけどね…。全然、無理でした。まさかの4番(佐藤)が飛び付きそうだったんで、どんっと当たって。1走して良くなればいいんですけどね」
  • 6R

    纐纈洸翔選手

     青板バック過ぎに松本京太が飛び出して、4番手に纐纈洸翔(写真)が続く。前受けの岩谷拓磨は、6番手まで引いて赤板を迎える。先行態勢の松本はそのまま1センター過ぎからペースを上げて、後続は一本棒。打鐘、最終ホームを通過しても、別線に動きはない。新村穣が2コーナーから番手まくりを打ち、そこに纐纈が襲い掛かる。直線の入口で新村をとらえた纐纈が1着。
     「先に切るつもりだったんですけど、(松本が)早めに来たのが予想外でした。あれで岩谷さんと併走になるかと思ったけど、引いてくれたんでラッキーでした。(最終)ホームのところで行こうと思った。そこで行けていれば、楽に決まっていたかなと。そこだけですね。でも、しっかりとらえ切れたんでいいかなと。(今回から換えた自転車は)扱いやすくていいですね」
     果敢に駆けた松本を余力を見極めて、番手まくりに出た新村穣が2着。
     「(松本を)追走していて、初連係だったけど距離がいける選手だなって。踏み上がっていったし、別線の人は苦しいだろうなと。纐纈君が強いのも知っているので、(判断が)ちょっと難しかった。(自分の感触は)風も強かったし、人の後ろであんまり気持の良さはなかったけど、最後は自転車が進んでくれた。(いまの競走得点から)ここからは上がっていくだけなんで、半年間、迷惑を掛けたお客さんにも還元できればと思います」
  • 7R

     人気の中部勢が前団。九州勢が出ると、藤井侑吾は続いた藤田周磨ラインまで送り出す形になり6番手で態勢を整える。赤板2コーナーで3番手の藤田が踏み出して、打鐘2センターで先頭に立つ。しかしながら、前団がもつれて隊列が短くなり、そこを藤井が仕掛ける。スピードの違いで藤井が、あっさり最終1センター過ぎに藤田をとらえて、横関裕樹が続く。3番手の重倉高史は遅れながらも、懸命に前の2人を追いかける。藤井、横関の直線勝負は、横関を退けた藤井が1着。
     「ちょっと踏んで(谷口力也が)戻れば突っ張ろうと思ったんですけど、ゴリゴリ踏んできた。前に出たあとも踏んでいたんで、口が空いてしまって(藤田に)降りられてしまった。(中団で)粘ろうとも思ったんですけど、あの感じなら引いてと。藤田君が行かなければ、(自分で)行こうと思っていました。けど、行ったので、スピードをもらってその上を行きました。悪くないですね。流れに乗って行けている。(新しい)フレームを換えていいのかなって思います」
     横関裕樹が2着で、車単は250円の1番人気。
     「(藤井は)突っ張りもあるかなって思って見ていた。けど、(谷口が)しっかり押さえに来た。(藤井の)スピードがすごかったですね。(最終)バックで(車間を)空けて、後ろに付いているのがわかった。(藤井を)抜けると思ったら、踏み直しがすごかったですね」
  • 8R

    伊藤旭選手

     誘導との車間をとった菊池岳仁は、詰める勢いで佐藤竜太を突っ張る。伊藤旭(写真)が、抜かりなく4番手をキープして赤板を通過。主導権の菊池は、波をつくりながら後続を一本棒にして踏み上げていく。が、伊藤旭は、早めに最終ホーム手前から仕掛ける。菊池が掛かり切る前に、伊藤旭がロングまくりで仕留める。九州勢を追った山根慶太のまくりを3コーナー過ぎに自ら止めた伊藤が1着。
     「作戦もあんな感じでした。ホームが向かい風でわりと爆風だったので、菊池君が(スピードに)乗り切る前にと思っていた。ただ、自分も重い感じがあって、(まくっていったけど最終)バックで乗り切っていなかった。3コーナーで山根さんが見えて、そこだけ張った。まだ疲労がある感じですけど、(前回の)サマーナイトフェスティバルよりは仕掛けられる感じです」
     2着の渡邉豪大は、伊藤旭を称えて汗をぬぐう。
     「(伊藤)旭が強かった。(伊藤旭の踏み出しが)めちゃくちゃ良くて、自分は離れそうだった。(山根のまくりは)ビックリだったし、自分はいっぱいだった。昨日(前検日)から体が重いので、あんまり良くない。なんとか調整したいですね」
  • 9R

     後方から上昇して併せ込んだ山中秀将を、村田祐樹が突っ張る。村田の主導権で、月森亮輔が4番手。浮いた山中が7番手で一本棒の隊列に戻る。打鐘を通過して村田が緩めたタイミングで、月森は2センターから踏み込む。最終1コーナー過ぎに月森が村田をのみ込んで、隅田洋介、佐竹和也まで中四国3人が出切る。村田はバック過ぎに山中にかぶって万事休す。番手の隅田が、後続との間合いを計り差し切った。
     「(月森が)いいところで行ってくれて、加速も良かったですし、強かった。自分はもう少しセッティングを煮詰めようかなって思っています。(ウィナーズカップの選考期間の)この期なんで1着は大きいっすね。あと14勝はしないと」
     ラインを上位独占に導いた月森亮輔の好スパートが光った。
     「(村田は突っ張ったあと)ペースで駆けていたのかな。車間を空けていたんで、詰める勢いで行きました。踏んだ感じは良かったですけど、(最終)3コーナーぐらいから失速している感じもあった。でも、(ラインで)ワンツースリーが決まったので」
  • 10R

    柏野智典選手

     青板3コーナー過ぎに片桐善也が先頭に立ち、立部楓真、村上直久と周回中の並び通り、順番に動く。前受けの河端朋之は、神奈川コンビを追って打鐘過ぎに出る。そのままスムーズに加速した河端が先行策。4番手に収まった村上だが、前の3人とは車間が大きく空く。6番手の立部が、最終2コーナー手前からまくるが前は遠い。別線は詰まらず、番手から柏野智典(写真)が河端を差し切って岡山ワンツー。
     「(村上が切ってくれた)あの展開が一番いいなって思っていた。(河端は)バンクが重くてキツそうだったけど、年々、強くなっている感じですね。後ろがどうなっているかイマイチわからなかった。でも、(河端は)着外に沈む感じはなかった。前回は落車明けだったので不安もあったけど、今回はそういうのもないです」
     好タイミングで順番が巡ってきた河端朋之は、流れを殺すことなく踏み込んで2着。
     「(片桐が)もっと早く押さえに来るかと思った。ササッと引いて早めに(仕掛けて)と思っていたけど、遅めになってタイミングがズレました。でも、村上さんが切ってくれたんで、踏み合うこともなくきれいに出られた。あとは後ろも確認せずに、とにかくゴールまでっていう感じでした。ホームもバックもあんまり流れる感じがなくて、先行選手が苦しむのがわかった。ただ、僕は順番で仕掛けただけなので、(展開的には苦しんだ)ほかの先行選手と違う感じですね」
  • 11R

     志田龍星は誘導を残したまま下げて、金子幸央、浅見隼と出る。7番手になった志田が、赤板1コーナーから踏み込んで打鐘で浅見を叩いて駆ける。最終ホームでは、浅見が前との車間が空いて、中部勢での決着かに思われた。が、しかし、6番手の金子が2コーナー過ぎからまくってグングンと加速。金子が直線で中部勢をとらえた。
     「踏んだ瞬間に8番(浅見)が離れているのがわかったので、そこを乗り越えていければと思っていました。志田君もジャン前から踏んでいたんで、タレてきていたんじゃないですかね。自分が踏んだ感じも良かったです」
     金子に食らいついた河野通孝は、1車身をキープして流れ込んだ。
     「キツかったですね。口が空いてしまっていて余裕がなかった。走る前から不安は多かったんですけど、大事なところで遅れてしまっていた。余裕がない感じの追走でした。金子君は踏んだ瞬間に行っちゃいそうでしたけど、自分は必死でした」
  • 12R

    犬伏湧也選手

     周回中に7番手になった山口拳矢が切りに出るが、和田真久留が突っ張る。*犬伏湧也(写真)は7番手に引いて、山口が中団に収まる。9番手にいた単騎の守澤太志が赤板付近から切り替えて、インを押し上げて7番手。犬伏は8番手になる。山口は再度、2コーナー手前から仕掛けて、打鐘で先頭に立ち主導権。犬伏も反撃に出る。犬伏の加速に松本貴治が遅れて、犬伏は1人で山口を最終2コーナー手前でとらえる。松本も追いかけるが、村上博幸がブロック。まくった守澤も不発で、犬伏が後続をちぎり、ただ一人のS級S班として白星発進で存在感を見せた。
     「仕掛けるポイントが遅れた。(仕掛けていって)踏み込んだ感じは良かったけど、出切ってからは重たかった。それが暑さのせいなのか、風のせいなのか。(山口が仕掛けたところは)冷静に見られたし、スピードをもらえたんで、(松本)貴治さんと決められるかなと。(前回の)サマーナイトフェスティバルからいい状態で臨めていると思うけど、オールスターにつなげないと意味がない。もっと良くなってほしいのが本音です」
     山口はいっぱい。村田雅一が、最終4コーナーから追い込んで2着に入った。
     「(村上)博幸さんに任せてもらえたんで、しっかり番手の仕事をと。今日(初日)はちょっと重たかった。暑さもあって本調子ではない感じですね。いつも初日は重たいので、明日(2日目)以降は軽くなると思います」
     ラインの3番手で松本を阻む仕事ぶりが目を引いた村上博幸だったが、ベテランらしく冷静にこう口を開いた。
     「(山口)拳矢も(和田)真久留も、同じような動きをするかなと。中団に入っても切りにいくかなと。(犬伏に離れながら追いかけた松本をブロックしたのは)ついつい反応してしまった。(ライン3番手の)僕がする仕事じゃなかったと思う。あれで僕がすくわれたら、村田にも悪かった。ついついやってしまったけど、当たり方としては悪くなかった」
  • 6R

    藤井侑吾選手

     青板3コーナーで金子幸央が切って出て、その上を山根慶太が押さえる。3番手に金子が入り、和田真久留は赤板で5番手に追い上げる。前受けから7番手になった藤井侑吾(写真)は、2コーナー手前からスパート。和田も合わせて動くが、藤井が叩いて最終ホームでは中部ライン3車が出切る。4番手の和田は車間が空いて、8番手まくりの金子も前が遠い。詰める勢いで和田が2センターから追い込むが、藤井が後続を完封して逃げ切った。
     「無理に突っ張らずに引いてでした。(仕掛ける)順番が来るかと思ったけど、気持ち遅かったですね。(和田が)遅れ気味で来たんで引いたけど。もうちょっと上のクラスなら、そこは勝負しないといけない。思ったよりも車間が切れずに、(仕掛けが)ほぼゼロスタートみたいになった。それで後ろが粘られるかもしれないと思ったんで、3車出切れて良かった。昨日(初日)より長い距離だったけど、最後は踏み直せた。悪くない。(今回から)フレームを換えたんですけど、うまくマッチしている」
     直線で詰めた笠松信幸は、ハンドル投げに持ち込んだものの4分の1輪及ばず。
     「正直、(藤井)侑吾にお任せだった。流れで突っ張るのかなっていうのもあったんで、その辺を対応できるようにしていた。出切ってからは体感したことのないスピードの感じだった。でも、そこからタレるっていうのもあったんで、ちょっとだけ車間を空けた。(藤井に)踏み直された。交わせれば良かったけど、そんなに甘くない。でも、あそこまで詰められたんで、(感じは)悪くないと思います」
  • 7R

    道場晃規選手

     道場晃規(写真)、岩谷拓磨の順番で動いて、そこを外田心斗が押さえて赤板。3つのラインを送り出した志田龍星は、2コーナー過ぎから仕掛ける。志田が前をとらえるスピードだったが、外田と接触して、志田、外田、岩谷が落車。最終ホームでは小堺浩二が先頭で、隅田洋介、舘泰守、渡邉豪大になる。アクシデントを避けて立て直した道場は、5番手から空いた車間を詰める勢いで2コーナー過ぎからまくる。直線で前団をのみ込んだ道場が1着。
     「切って、切ってで、ジャンのところで詰まって内に差し込んでしまった。志田君の仕掛けにスイッチしようと思えばできたのに見てしまった。そのあとアクシデントがあって、避けてから(最終)ホームで行ければ良かったんですけど。様子を見てしまった。2コーナーで詰まったので渡邉さんも自力があるので踏んでくるかなって見ながらだった。昨日(初日)よりもいいと思います」
     道場とともに落車事故を外に避けた和田健太郎は、道場のまくりに続いて2着。
     「(打鐘で)なんで前で転んでいるんだろうっていう感じでわからなかったですね。とりあえず避けて、(最終)ホームでも余裕はありました。2コーナーからのまくりなので、このバンクじゃ抜くのは厳しいなって。(今回から新車で)セッティングをいじってだいぶ感覚もいい」
  • 8R

    月森亮輔選手

     山口拳矢の上昇に、3番手の青野将大も合わせて動く。青野が出て、そこを赤板手前で押さえた小川三士郎が主導権。4番手で青野と山口の併走。伊東翔貴が後方で様子をうかがい打鐘を迎える。小川が絶妙なペースで駆けて、中団の決着がつかないまま最終周回。伊東が1センター過ぎからまくり、4番手外併走から山口も踏み込む。空けた車間を詰めながら月森亮輔(写真)が、山口をけん制して追い込む。外を青野が強襲するも、月森が抜け出した。
     「(小川が)めっちゃ、強かったです。勝手に残ってくれた。山口君が併走になっているはわかった。それで(山口が最終)バックくらいで踏んできたんで、(警戒していたのは)そこくらいですかね。ラインに助けられているし、(調子は)悪くない」
     中四国勢のワンツー。赤板手前から2周以上駆けた小川三士郎が、2着に粘り込んで二次予選をクリアした。
     「(青野と山口で)踏み合ってた感じだった。そこを自分が出た時にはもう(別線を)出させないでと思ってた。赤板ではあんまり(脚を)使ってなかったので、もう一段階、上げたかった。けど、そこまで踏み上がらなかった。山口さんが外にいたのがわかったんで、行かれたら終わるなって。そこだけは気をつけて踏みました。月森さん、中村(昌弘)さんが付いてくれて、ラインのおかげですね。自分のペースでだと(別線に)行かれるんで、人に合わせながらモガかないと」
  • 9R

    村田雅一選手

     前受けの菊池岳仁が野田源一を出させず踏み込むが、ペースを落としたところを岸田剛が仕掛けて主導権を握る。菊池は4番手をキープして、野田は7番手に置かれて打鐘。2センターで外に持ち出した菊池だが、最終ホームで4番手に戻り、そのまま岸田が風を切る。同じくホームから踏み込んだ野田は、2コーナー過ぎに菊池に合わされる。菊池のまくりをブロックした村田雅一(写真)が、追い込んで1着。
     「(菊池が野田を)突っ張っても、野田さんが叩いても外に回せるように準備はしていました。結構、(岸田は)ハイピッチで切りにいった。もうちょっと流してもいいんじゃないかなって思ったんですけどね。コーナー、コーナーで踏み上がっていく感じでした。(最終)2コーナーぐらいから向かい風のところで来られてしまったんですけど、対応できて良かったです。(菊池を止めたあと誰かに)来られても差し回せるようにって余裕はありました」
     一度アクションを起こした菊池岳仁は、再度まくりにいくも村田のけん制で大きく振られる。それでも直線で伸びて2着に届いた。
     「全ツッパしようと思ったんですけど弱いですね。岸田さんが来るとわかっていて出られてしまっている。もう1回、行こうとしましたけど、結果出られていない。(最終)バック目がけていけましたけど、(野田に)引っかかっただけで、その分、進んだ感じす。昨日(初日)より今日の方が良かったですけど、内容がない」
  • 10R

    伊藤旭選手

     板垣昴の上昇に合わせて、4番手から佐藤壮志も動く。佐藤が板垣を制して先頭に立ち、伊藤旭(写真)が続く。3番手が河端朋之と板垣の併走になる。そのまま打鐘を通過して、3コーナーで外の板垣をさばいた河端が3番手を取り切る。逃げる佐藤との車間を空けた伊藤がけん制するも、河端が最終2コーナーから仕掛ける。伊藤が詰めながら番手まくり。河端に前に出られるも、コーナーで合わせた伊藤が連勝のゴール。
     「(佐藤は別線を)中団でモタつかせて、いい感じで駆けていた。3番手に河端さんがいて、(佐藤)壮志もタレてきてたんで行かせてもらいました。あれを残せたら一番いいんですけど、それには技術、体力、すべてが足りてない。河端さんの勢いが良くて、自分はコーナーでどれだけ盛り返せるかだった。日に日に体の調子は良くなっている」
     瞬時の判断で3番手勝負を選択した河端朋之は、その位置を取り切ってまくった。
     「九州が先切りに来たんで、踏んで出させた方がいいかなと。作戦にはなかったけど、(3番手は)引けない場所だった。(3番手が板垣と併走になったけど)村上(博幸)さんと同期の重倉(高史)が付いていたんで、なんとか仕掛けようと思った。(伊藤)旭も振りながらで、僕も車間を切れなかった。それで無理やりの仕掛けだった。ただ、自分が仕掛けることで、後ろを連れてこられるんで悪くなかったと思います」
  • 11R

    松本貴治選手

     周回中は8番手になった松本貴治(写真)は、山崎歩夢に突っ張られて下げざるを得ない。しかしながら、そこから新村穣、赤板2コーナーから立部楓真と次から次へと山崎に別線が襲い掛かる。脚力を消耗した山崎の先行を最終ホーム手前から踏み上げた松本が、まくりでのみ込んだ。
     「一番嫌な並びになったんですけど、動かないことには始まらない。ジャンくらいで車間を切れていたんで、詰める勢いで行こうと思っていました。(踏み込んでいった感覚は)あんまり良くなかったですね。余裕がない。たぶん体の面の問題なのかなって思うので、ケアをしたい」
     後方に置かれた周回中の位置取りを、柏野智典はこう振り返る。
     「(スタートで)山崎君だけを見ていたら後ろになってしまった。自分のミスですね。山崎君が前なら突っ張りだろうなって、松本君もわかっていたと思う。あんまり脚を使わずにすぐに戻ってきた。ちょっとヤバいかなって思ったんですけど、(松本は)ジャンくらいから半分踏んでいる感じだった。ちょっと内側の選手というか、アクシデントが起こりそうな感じもしていてうまく追走できなかった。けど、あれは抜けないですね」
  • 12R

    犬伏湧也選手

     3車の徳島勢が前団に構える。*犬伏湧也(写真)が青板過ぎに踏み込んで、纐纈洸翔は山形一気の外で粘る。犬伏がそのままレースを支配して、赤板2コーナーで纐纈を弾いた山形が番手をキープ。今度は3番手で纐纈が止まるも、佐竹和也が踏み勝つ。纐纈は空いた4番手に降りて、伊藤信は5番手で最終ホームを通過。空いた車間を詰めて加速した伊藤がバックからまくるが、犬伏の掛かりもいい。迫る伊藤を犬伏が振り切った。
     「徳島3人だったんで、変に中団から攻めるより、正攻法から突っ張って決めたかった。先行1車みたいなメンバーだったので、しっかりとそこを意識しながらでした。(感触としては)重たい感じがあるので、もっと良くなってほしい。ただ、33バンクなんでカントを使いながら踏み込めたのは良かった。オールスターに弾みがつくように、(3日目以降も)しっかりと動きながら体をつくっていけたらいい」
     まくりで犬伏に4分の3車輪まで詰め寄った伊藤信が2着。
     「直前の雰囲気で(徳島勢が前の)あれが一番いいかなと。(犬伏が)下げてくれたら良かったけど、纐纈もそんなピッチじゃなかった。(もっと早く仕掛けて)まくれたら良かったけど、引っ掛かるピッチで行ける感じじゃなかった。合わされる感じだったので、最後は無理くり行った。踏んだわりにはいいかなって思います」
  • 10R

    山形一気選手

    山口拳矢選手

     地元の中部勢が、前団に構える。藤井侑吾は、青板バック過ぎに道場晃規を突っ張り出させない。そこを赤板手前から踏み込んだ小川三士郎が、押さえて主導権。しかしながら、3番手で立て直した藤井は、2コーナー過ぎから仕掛ける。藤井が打鐘3コーナーで叩いて、山口拳矢はわずかに車間を空く。3番手の重倉高史は連結を外して、最終ホーム手前で小川が3番手に飛び付く。2コーナー過ぎから5番手の道場がまくりを打つ。小川も外に持ち出し、山形一気(写真)が内を進出。外を警戒して山口が空けたところを、山形がすくって追い込んだ。
     「(小川)三士郎は先行だけして終わるのもっていうのがあったんで、出て流したのは正解だったと思う。ただ、藤井君のダッシュがすごかった。3番手をどかせればっていうのがあったけど、さばかずに(小川を)迎え入れられたのが大きかった。(小川が)仕掛けてくれれば、3着までに入れそうなコースだった。(山口)拳矢が(外を)見たんで、コースを突けた。そこは当たらずにっていう感じだった。自分の調子も上向きだし、三士郎が前々に攻めてくれたおかげですね」
     山形に内から当たられた山口拳矢(写真)が、立て直しての2着。中部勢として、なんとか決勝進出を果たした。
     「(藤井は)3番手が取れたんで、落ち着いてもいいのかと思った。(けど、打鐘前に仕掛けていったんで)口が空いちゃった。(後ろが小川だったのは)わかった。仕掛けてきたところを1回、振って戻る余裕があるかと思ったけど、あんなに早く(山形が)内を突いてくると思わなかった。(車間を)空けてタテで対処すれば良かった。あれで踏まざるを得なかった。3日間、そんなに内容がなくて、なんとか勝ち上がれている。スッキリはしないですね」
     道場のまくりが一息で、和田真久留は最終3コーナー過ぎから最内のコースを伸びた。
     「ジャンのところで道場君が行くのかどうかって。小川君のヤル気もわからなかった。(最終)ホームで道場君が内に行って、自分はう回せざるを得なかった。そのまままくりにいってもっていうのはあったけど、道場君も頑張っていたんで迎え入れた。内藤(秀久)さんも後ろにいたんで難しい判断だった。バックを踏んだりして変に脚を使ったけど、最後は最短ルートだった」
  • 11R

    伊藤旭選手

    菊池岳仁選手

     前受けの菊池岳仁が誘導を残して下げて、伊藤信、松本貴治の順番で動く。そこを赤板手前で立部楓真が出るが、菊池の巻き返しが早い。立部も合わせて踏み上げて、菊池は空いたインを踏み込む。河村雅章は付け切れず、打鐘3コーナーで菊池が先頭に立つ。しかしながら、すぐさま立部も踏み込んで、2人の叩き合いで最終周回。3番手で様子をうかがっていた伊藤旭(写真)は、真後ろからまくった松本に合わせて車間を詰める。立部を合わせた菊池を伊藤旭が、ゴール寸前で交わした。
     「前回のサマーナイトフェスティバルは動けていなかったんですけど、今回は初日にバックを取れたんで、2日目、3日目につながった。動けていると思う。立部さんがピッチを上げたんですけど、外から菊池君が来るかなって思っていたら内からだった。結構。勢いが良かったですね。立部さんも1車だったので、(最終)バックを目がけて仕掛けていくかなって思っていたら、すかさずいった。あれ以上待ってしまうと、菊池君にも届かないですし、後ろに松本さんがいたんで車間を切っていい感じでけん制しながらいきました。前のおかげですね」
     菊池岳仁(写真)はトリッキーな動きではあったが、自身の脚力を生かして粘り込んだ。
     「今日(3日目)は、力勝負をしたかった。でも、ちょっとケンカ技みたいになってしまった。外から行きたかったんですけど、弱気になってしまった。でも、合ったところで(内でも)勝負しようと。後ろには迷惑を掛けてしまった。あそこで(最終ホーム)で(立部を)出してもチャンスがなくなるので踏みました。(力を出し切れずに終わった)昨日と一昨日があったからこそ、今日は気持ちを入れて走りました」
     伊藤旭に張られながらもこらえた松本貴治が、しぶとく伸びて3着。底力を見せた。
     「(菊池が)叩きに行くと思ったら、内だったんで難しかったですね。そこからはもう前々にと。(伊藤旭にけん制されて)行きづらかった。状態もそんなに良くはないのかなって。しっかりケアをして集中して頑張りたい」
  • 12R

    村上博幸選手

    岸田剛選手

     人気の犬伏湧也が前受け。青板3コーナーで青野将大が出て、そこを岸田剛が赤板で先頭に立ち主導権。青野は抜かりなく4番手を確保して、犬伏は一本棒の7番手でレースは流れる。風を切る岸田の絶妙なペースメイクで、犬伏は動けない。そのまま最終ホームを通過する。2コーナー手前から4番手の青野が仕掛けて、犬伏はバック手前から踏み上げる。が、逃げる岸田の掛かりがいい。番手の村上博幸(写真)が、後続との間合いを計り追い込んだ。
     「(岸田は)チャレンジャーですし、とりあえず犬伏を7番手に置かないと話にならないと思っていました。(岸田が先行して)後ろはみんな強いから油断できなかった。けど、(岸田は)いいピッチだった。青野がまくって来た時に、その後ろから(犬伏が)飛んでくるかなと。あとは(番手の)自分がどれだけ我慢できるかでした。最近、(周りに)良く伸びているって言ってもらえるけど、そんなに余裕があるわけじゃない。ジャンでもこの踏み方じゃアカンって、そこから違う踏み方にした。それで(残り)1周を過ぎてからは楽だった。(岸田みたいな)こういう選手の後ろはうれしいし、明日の決勝も楽しみです」
     犬伏を退けて近畿ワンツー。先行策でGIII初の優出を果たした岸田剛(写真)が笑みを浮かべる。
     「(GIIIでは)準決自体も去年の福井記念から1年ぶりで久しぶりだったし、(決勝は)初めてです。うれしいですね。(周囲中は)理想の並びだった。青野さんが切ってから出て、コーナーの出口、出口で伸びている感じはあった。今日(3日目)は切るまでに少し脚をためられた。連日、長い距離をいって、ちょっとずつ修正ができてると思います」
     不発かに思われた*犬伏湧也は、直線で大外を踏んで薄氷を踏む思いの3着。それだけに仕切り直して、決勝に気持ちを切り替える。
     「1個のラインを突っ張りたかったけど、青野さんの切り方もあって突っ張れなかった。後ろに申し訳なかった。そこからは相手の出方を見ながらで、(最終)ホームで1回詰まったけど、岸田君も掛かっていた。岸田君までのみ込めるか微妙だった。それで1回、待ちました。脚の感じは悪くないけど、組み立てだったりがあんまり良くなかった。もっと自分らしくやれたんじゃないかと。ギリギリで決勝に上がれた。連日、湿度が高くて(前回の)サマーナイトフェスティバルの時よりもうひとつかなと。でも、S班一人なので決勝は責任のある走りができればって思います」

 情報提供:日刊プロスポーツ新聞社